EN

皆様へのお知らせ NOTICE

お知らせ
2020.12.14
学ぶ愉しみpart.3~ 本学教員が高校生のみなさんを「学ぶ愉しみ」知の世界へご案内します~

「学ぶ愉しみ」

医療技術学部 臨床工学専攻 秋山 康則 先生

(臨床工学専攻に関して)
Q1:この専攻でどういうことを学ぶのか?
A:現代の最新医療は、高度の医療機器に支えられています。
 臨床工学技士は、病院の手術室、集中治療室、透析室などで医療機器を含む生命維持管理装置の操作および保守点検を行います。
 これらは患者さんの「命」を支える重要な業務です。
 臨床工学を学ぶ基礎教育では、医療人として欠かせない心構えと精神を養うためボランティア活動、生命倫理、心理学を含むチーム医療基盤型学習(Team-based Learning)を修得します。
 専門基礎教育では工学的な知識として物理や応用数学から展開する医用工学の専門基礎と医学的な知識や病態について学修します。
 専門教育では問題解決型学習(Problem- based Learning)として臨床工学専門科目である生体機能代行装置学はもとより、臨床検査学の能力も養い医療現場に配置された心電図、超音波エコー、血液検査等の機器が安全で有効に機能するための知識・技術も修得します。
 これらの知識・技術を身につけた上で、実践教育としての臨床実習から卒業研究までの学びに結びつけます。
 教育体制は、国立大学病院他での実務経験豊富な教員をはじめ各専門教育分野で実績ある教員が対応することで、ダブルライセンス取得に向けた実践的な知識や技術を学べる環境を提供します。

 

Q2:この専攻で学ぶ楽しさはどこにあるのか?
A:患者の治療には、様々な医療機器が用いられますが「患者の生命が助かり状態が少しでも良くなれば、臨床工学技士としての達成感は大きい」このことを念頭に置くことで、学ぶ愉しみを得ることになります。
 また、医師や看護師が治療目的として患者に医療機器を使用するケースは多種多様ですが、医師や看護師が全ての機器の取扱いや機能を熟知している事は少なく、医療機器の安全で有効な設定や機能を組合せ最も有効な状態で機器と患者との橋渡しをすることも臨床工学技士に託された重要な任務です。
 臨床工学技士が、患者さんをはじめ医師や看護師から頼りにされ、患者の生命・治療にも貢献できる職業であることを自覚することで「自己研鑽を育み、学びを愉しむ活力」を生み出します。
 さらに、本専攻では、臨床工学技士が臨床検査学の知識・技術を併せ持つことで生体計測、画像診断、血液検査などから科学的根拠(Evidence)に基づく情報をもとに、より安全で正確な医療機器管理技術を身に付けた臨床工学技士の育成を目指します。

 

Q3:この専攻で学んだことがどのように役に立つのか?
A:現在の医療は「COVID-19による医療崩壊の危機」、「医師の働き方改革(タスク・シフト/シェア)」、「慢性的な看護師不足」、「少子高齢化」などの課題を抱え変革の時期にあると思います。
 このような状況下で、臨床工学技士は生命維持装置や医療機器のみに特化し「検査機器は検査技師の仕事!」。臨床検査技師は「医療機器の管理は工学技士の仕事!」とう固定的思考では、進化する医療技術やチーム医療の形成に適応して行くことは難しいでしょう。
 臨床工学専攻では、進化する高度医療機器や検査技術にも対応可能な教育基盤を構築し臨床工学・臨床検査学双方の知識・技術が修得可能なカリキュラム構成です。「医師からのタスク・シフト」の受け手として、「看護師不足」により危ぶまれるチーム医療の再生にも貢献できると思います。
 本専攻では、臨床工学技士国家資格取得に向けたスペシャリストを目指すコースと、臨床検査技師国家資格を併せ持つ「ダブルライセンス」のコースがあります。
 国家資格取得に向けた単位取得と学修は困難な道のりですが、ここをチャンスと考え乗越えれば、「頑張り甲斐も、達成感もダブル」だと思います。

 

Q4:この専攻を学んだ人がどのような職業に就くか。または社会貢献が可能か?
A:卒業後の臨床工学技士として活躍の場は、医療係では大学病院、特定機能病院、地域の基幹病院、総合病院等をはじめ中小のクリニックに至るまで就職先は様々です。臨床工学技士の職域も多様で人工透析を含む血液浄化部門が最も多く、次に人工呼吸部門(集中治療、救命救急)、医療機器管理業務、人工心肺やカテーテル治療等(手術部門)へと続きます。最近では内視鏡(鏡視下手術)や眼科領域での職域が拡大傾向で、それぞれの技士は各部門を兼務することが多いです。
 また、医療安全の体制基準により院内に「医療機器安全管理責任者の配置が義務付けられ」多くの医療機関で臨床工学技士が責務に就いています。
 さらに、臨床工学技士の職場には検査機能を搭載した生命維持装置が多種多様に存在し生命を支える貴重な生体情報も発信しています。
 将来、臨床工学技士として生命維持管理装置を取扱う際は、「臨床検査学の知識も応用し問題解決に導く能力」を育むと共に、本専攻の学びの意義を実感して下さい。
 他の就職先としては、医療機器および医療材料メーカーの開発や営業、メーカー開発工場、医療機器輸入販売の商社、開発研究企業、大学や研究室、教育職、治験コーディネーター(CRC)、人材派遣会社、起業(医療機器コンサルティング)などがあります。
 社会貢献の意思があれば、臨床工学・臨床検査学領域の学修基盤をもとに情報通信技術(ICT)を活用した生体情報伝達技術や感染症対策や介護支援としてAIやロボット技術を応用した支援開発の可能性もあります。

 

Q5:この専攻の理解をさらに深めるためのお薦めの一冊
A:「臨床工学技士標準テキスト」(第3版増補)
小野哲章・峰島三千男・堀川宗之・渡辺大学敏 著
金原出版株式会社 ISBN 978-4-307-77180-1

 大学ですので、個々の学びや将来の目標は自由で良いと思います。
 ただし、学費や経済的な支援を賄う「親御さんの期待」も考えて下さい。
 まずは、教員の切望も含め本専攻で学ぶ最も重要な目標として「臨床工学技士国家資格取得」があります。研究や専門知識を探究することも大切ですが、社会的に認知され評価を得るには国家資格の基盤が必要となります。
 しかし、医療技術学部の教科書・参考書は多種多様様々で、
「どこから、何を勉強して良いのか分かりません!」
と言うのが皆さんの本音でしょう。
 そこで、まずは国試に向け「中心とする本」を紹介します。
 講義で使用する教科書・参考書などの予習復習はもちろん大切ですが、「中心とする本」の内容を理解した上で受講すると理解力が向上します。
 国試の全科目が、要約された本です。
 4年間で、「最低5回は読破し、その都度自分ノートにまとめ」て見ましょう。健闘を、お祈りします !

医療技術学部 臨床工学専攻
秋山 康則

公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会