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皆様へのお知らせ NOTICE

お知らせ
2021.01.18
学ぶ愉しみpart.4~ 本学教員が高校生のみなさんを「学ぶ愉しみ」知の世界へご案内します~

学ぶ愉しみ
看護学部 小松 由利絵先生
 
 ・ この専攻でどういうことを学ぶのか。
 看護師の仕事は、傷病者や妊産婦の療養上の世話や診療の補助を行うことです。この「看護」の世界には、とても奥深いものがあります。辞書で「看護」という言葉を調べると、「けが人や病人の手当てや世話をすること」とあります。さらに看護の「看」を辞書で引くと「対象をよく見る、見守る」とあります。つまり、単純な人のお世話をするだけであればロボットでも可能かもしれません。しかし、 “人を看る”という看護師独自の視点で患者の状況を観察し、症状を判断するという行為は患者の生命と日常の生活を支えていくうえで不可欠な援助であるのです。このことは、人間でなければできないことだと思います。看護師の祖、ナイチンゲールは「看護を行う私たちは、人間とは何か、人はいかに生きるかをいつも問いただし、研鑽を積んでいく必要がある」と言っています。つまり看護師は「誰のために何ができるかを常に考える仕事」だと言えるのです。自ら考え、誠実に行動できる人材が求められる所以です。
 
 
 この専攻を学ぶ楽しさはどこにあるのか。
 看護師の仕事のイメージというと「きついし危険だし、汚いし帰れないうえ、厳しいし、給料だって高くない」といった声を聞くこともあります。そんなハードな仕事であると聞いても看護師を目指すのは、ハードな先にあるやりがいや魅力を感じているからだと思います。人の生命、健康の保持に関わるといった崇高な理念に自らを重ねて、心中から湧き出てくる使命感こそが看護師としての魅力なのです。患者から「あなたにケアしてもらえて良かった」と言ってもらえたとき、看護師としてのやりがいを再認識します。その一言を言ってもらうためには、日頃から自己研鑽や誠実な態度を継続していくことが大切です。確実な知識や技術を備えることはもちもん、患者さんの立場や気持ちに沿ったケアを提供する意識が必要だと思います。
 
 
 ・この専攻で学んだことがどのように役に立つのか。
 医療現場で求められるコミュニケーションは日常生活での家族や友人とのコミュニケーションと目的が異なります。臨床現場では、伝達・共有すべき情報も多く、患者の病態の変化に応じて複雑化するからです。また、医療現場は時間の規制や中断作業、関わるスタッフが多いとヒューマンエラーが発生しやすい環境です。この環境の中でエラーを未然に防ぐためには、全てのスタッフが気づきや疑問を指摘し合え、正しいコミュニケーションを図ることが求められます。そうすることがエラーを防ぎ、患者の安全確保へとつながるのです。さらに、看護師の仕事は多職種連携を必要とします。多職種連携では、患者に最良のケアを提供するためにチームで協働して対します。その際、「相手の心情に傾聴し、それを尊重する気持ち」が大切だと思います。患者の意に添う看護を行うためには、患者の思いを倫理的配慮をしながら、どこにどのようにつなげるかといったコミュニケーション能力が問われることになり、この力を培っていくことが必要なのです。
 
 
 ・この専攻を学んだ人がどのような職業に就くか。または社会貢献が可能か。
 看護師(保健師・養護教諭も含め)として病院や診療所などの医療機関のほかに、訪問看護や福祉関連施設、学校など、活躍の場はどんどん広がっています。臨床経験を積んだ先には、自分のやりたいことや得意分野を伸ばすために病院で働く以外の道に進む看護師も大勢います。①助産師・保健師を目指す②専門看護師・認定看護師として特定分野のスペシャリストを目指す③看護管理者としてリーダーを目指す④大学教員・研究者として研鑽を積む。看護師の活躍する場は幅広く、身近な人との交流を通して広く社会に貢献しています。そして常に自己研鑽を続けていくことがキャリアアップすることにつながっていきます。
 
 
 ・この専攻の理解をさらに深めるためのお薦めの一冊
 佐々木幾美、吉田みつ子、西田朋子共著『看護師になるには』ぺりかん社
本書の執筆者は、心から看護を愛し、病院や在宅での看護実践の経験を基盤にして、看護学の研究、教育に従事しています。一人でも多くの方たちに、看護への理解を深め、看護の道に進んでほしいと願いながら心を込めて書いています。第1章では、すでに資格を取得し、生き生きと誇りをもって医療現場や在宅の場で働いている先輩看護師の紹介があります。なぜこの仕事を選んだのか、そして日々の仕事の課程での楽しさや、喜び、生きがい、厳しく困難な場面にぶつかったときにどのように乗り越えたか、などがリアルに語られていて参考になります。第2章では、看護の歴史を辿るとともに、看護という営みの価値と魅力を探り、職業としての看護が理解できます。第3章では、卒業後の職場選びに必要で役立つ情報が書かれています。看護師になる道筋や看護師の仕事内容、これからの課題と対策など、看護師を目指す人には是非読んで欲しい内容が詰まってる1冊です。

公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会