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授業情報
2022.05.24
読書の愉しみpart2~本学教員がみなさんにお薦めの本を紹介します~

読書の愉しみpart2~本学教員がみなさんにお薦めの本を紹介します~

 

佐藤敏明『文系編集者がわかるまで書き直した世界一美しい数式「eiπ=-1」を証明する』

日本能率協会マネジメントセンター、2019年4月

 「オイラーの等式」という等式をご存じでしょうか。「eiπ=-1」という式で、数学の中で最も美しい等式と呼ばれています。「博士の愛した数式」という有名な小説でも登場したので、ご存じの方もいるのではないかと思います。

 この等式には、ネイピア数(自然対数の底)の「e」と、虚数単位の「i」、そして円周率の「π」の3つの数が出てきます。これらの3つの数は、まったく異なる年代に見いだされた数であり、相互には関係がなさそうに思えるものです。しかし、偉大な数学者であるレオンハルト=オイラーによって、「eiθ=cosθ+isinθ」という公式が証明され、そのθにπを代入した時の式から、「eiπ=-1」という非常に美しい等式が見つけ出されました。数学ではさまざまな式が出てきますが、これほど不思議な関係式は、他にはなかなかないのではないでしょうか。

 今回紹介する「文系編集者がわかるまで書き直した世界一美しい数式『eiπ=-1』を証明する」は、そのタイトルの通り、オイラーの等式を導出するまでの流れを丁寧に解説したものです。オイラーの等式を導くには、前提として、複素数・三角関数・指数関数・微分など、数学の基本的ないくつかの分野の知識が必要になります。それらについて解説した上で、最終的にオイラーの等式を導くという流れになっています。

 本学には医療技術学部などの理系学部もありますが、そこに所属する学生さんの中には、数学があまり得意でない方もいると思います。そのような方に、高校数学を復習するための一冊として、本書をお勧めします。

(医療技術学部 藤本 壱)

 

木下大生・藤田孝典『知りたい! ソーシャルワーカーの仕事』

岩波ブックレット924 2015年5月

 社会福祉士の国家資格はあるが、社会福祉士(ソーシャルワーカー)の仕事内容はあまり知られていない。また、ソーシャルワーカーは人の相談を聴き、それに応じる仕事(ソーシャルワーク)をしていると言われている。しかし、その相談内容も詳しく知られていないため、社会的に曖昧な部分が多い職業である。

 本書はその曖昧な部分が多い仕事内容を著者が実際に出会った事例を通し、具体的に分かりやすく紹介している。仕事内容だけでなく、ソーシャルワーカーがクライエントと関わる時の視点や姿勢についても解説がなされているため、ソーシャルワーカーの存在意義がわかり、仕事のイメージがしやすくなっている。

 ミクロレベルやマクロレベル、生活モデルやバイテックの7原則、ソーシャルアクションなどの用語が使われており少し難しく感じる所もあるが、これからソーシャルワーカーを目指す人やソーシャルワーカーの仕事内容を知りたい人にとってはぜひ読んでいただきたい一冊となっている。

(社会福祉学部 富澤 一央)

 

宇田川智子『かっこよくて、感謝されて、実はクリエイティブ。介護の会社に就職したら最高にイケてる職場だった』幻冬舎、2021年7月

 介護の仕事は大変?大変です。でも大変なだけではありません。支えたり支えられたり、成長したり、成長に携わったり、いくつになっても輝く姿を目の当たりにする。自分にとっての職業観など、人として大事なことを教えてくれる仕事でもあります。

 毎日自己紹介をして、やっと利用者さんに名前を呼んでもらえたとき。いつもは厳しい利用者さんが、たまに歌を歌ってくれるとき。リハビリを続け、初めて自分で立つことができた利用者さんと涙を流したとき。介護を通じて互いに歩んでいる道のりは笑いあり、涙あり、感動ありです。

 この本には、介護の仕事にもともと興味の無かった人たちが切磋琢磨し、利用者の方や一緒に働く人たちとの関わりによって成長していく姿が描かれています。

 読んでみると、今の自分があるのは今まで出会った利用者の方をはじめ、支えてくれる人たちのおかげであると、初心を思い出させてくれます。

 またタイトルからすると意外ですが、介護サービスや仕組みから、介護の変遷、介護業界のこと、資格を取るためのバックアップなど、ストーリーの中で知りたいことも網羅してくれている、かゆいところに手が届く内容になっています。

 毎日顔を合わせていても、同じ日は二度となく、関わった人の数だけ主人公の物語があります。介護の仕事の中での出会いや思い出を自分だけのものにしておくのももったいない。介護の魅力をぜひ感じてもらいたいですが、介護に興味がある、ないに関わらず一度は読んでもらいたい一冊です。

(短期大学部 辻 志帆)

 

パウロ・コエーリョ 著、山下紘矢 他 訳『アルケミスト 夢を旅した少年』

角川文庫1997年2月

 サンチャゴという羊飼いの少年が夢で見た宝物を目指し、旅に出るという物語。その旅路に様々な出来事に遭遇し、経験を重ねていく。

 例えば、日々食糧を食べるだけを考えて生きている羊をみて、羊のように何も考えないで淡々と生活しているという点で人も同じではないか、と主人公が考えるようになるという場面がある。人は誰でも夢や希望を抱いたことがあったはずである。特に子供のころは、未来に期待して日々を送っていたのではないだろうか。しかし、いつしか大人になるにつれて世間体や他人の価値観を気にして夢や希望を諦め、知らず知らずのうちに「どう思われるか」のために生きるようになってしまう。これは、誰にでも思い当たる節があるはずである。しかし、これに気づいた主人公は、人との出会いなどを通して他人の価値観で生きることが自分の人生を生きていないことに気づき、人生の転換が始まっていくのであった。

 このように、この物語では人生の本質を突きつけてくれる内容がちりばめられている。展開としては、やや空想的な要素もあり、子供向けの物語と思わせる内容ではあるものの、自らの意志で行動することの大切さや素晴らしさなど、生きていくために必要なことに気づかせてくれるおすすめの本である。

(リハビリテーション学部 小林 雄斗)